二大カメラメーカーであるキヤノンとニコンの、APSC一眼レフ最上位機種同士を比較します。どちらも最上位機種ですが、発売日が異なりますので公平な比較ではありません。それを踏まえて比較する必要があります。
目次
ニコンD500とキヤノン7D2は発売日が大きく異なる
この2つの機種は発売日が約1年半違います。
- ニコンD500:2016年4月28日
- キヤノン7D2:2014年10月30日
デジタル機器の進化スピードは非常に早いので、この期間はかなり長いと捉えるべきでしょう。そのため、D500の方がハイスペックになって当然なんですね。
ニコンD500とキヤノン7D2を比較する意味
このクラスのカメラになると、エントリー機や中級機からのステップアップも多いです。つまり、2台目以降の購入で検討される場合も多いので、異なるメーカーのカメラは検討から除外してしまう方も多いでしょう。
しかし、中級機の購入を検討している方にとっては、いずれ購入対象になる上位機種の比較は気になるでしょうし、そこも踏まえての検討をされる方にとっては必要な情報です。
APSCフラッグシップ機という同じような立ち位置のカメラ同士を、子供写真の撮影を前提に比較してみましょう。
ニコンD500とキヤノン7D2のスペック比較
主要なスペックについて、詳細に比較してみましょう。
撮像素子(イメージセンサー)
- 画素数:ニコンD500⇒2,088万画素/キヤノン7D2⇒2,020万画素
- 常用ISO感度上限:ニコンD500⇒ISO 51,200/キヤノン7D2⇒ISO 16,000
- キヤノン7D2はデュアルピクセルCMOS AFを搭載
まず解像度に関してはほぼ同じと考えて良いですね。常用ISO感度については大きく差が付きましたね。これはニコンD500の方が圧倒的に良いでしょう。
高感度撮影は子供の写真を撮る場合でも色々と重宝しますね。ブレを抑えるためにシャッタースピードを確保したい場合は結構頻繁にありますし、ストロボを使わずに済む場合が多いので、より自然な感じの写真が撮れます。
また、暗いシーンで絞り込みたい場合にも、ISO感度を上げる事でシャッタースピードを確保できますので、ピントが合う範囲である被写界深度をどうするか等の選択肢も広がります。
つまり表現する際の自由度が増えますので、より素敵な写真が撮れる確率もアップします。
連写や連続撮影枚数などに影響する画像処理エンジン
- 1秒間の連写枚数:ニコンD500⇒10枚/キヤノン7D2⇒10枚
- 連続撮影枚数(RAW):ニコンD500⇒200枚/キヤノン7D2⇒24枚
連写速度は同等ですが、連続撮影枚数は大きな差がでましたね。ニコンD500は200枚も連続で撮影し続ける事ができるのは凄いです。
普通は200枚も連続で連写し続けることは殆ど無いと思います。そう考えると、連写していてバッファが一杯で待たされるという事はまずありません。
連写を多用される方にとって、D500だとほとんどストレス無く撮影が出来るんじゃないでしょうか。
フリッカー対策
- フリッカー対策機能:ニコンD500⇒フリッカー低減/キヤノン7D2⇒フリッカーレス
フリッカー対策についてはキヤノン7D2の方が優れています。
体育館など人工灯の照明下で撮影する機会が多い人にとって、フリッカーを考えなくて良いのは非常にありがたいですね。
フリッカー現象で露出や色が不自然になると、最悪削除するしか無いような写真を量産してしまう可能性だってありますから。
オートフォーカス
- 全測距点:ニコンD500⇒153点/キヤノン7D2⇒65点
- クロスタイプ測距点:ニコンD500⇒99点/キヤノン7D2⇒全65点
- 輝度範囲:ニコンD500⇒-4EV~20EV/キヤノン7D2⇒-3EV~18EV
オートフォーカスでも、D500の高性能は目立ちますね。
D500のオートフォーカスセンサーは現在ニコンの最上位機種であるD5と同じものです。
153点のオートフォーカスポイントが、画面の隅々にまで広範囲に配置されています。しかもそのうち99点が、高精度なクロスセンサーとなっています。
ここまで凄いとついつい7D2が霞んで見えますね。しかし7D2でも十分な範囲とポイント数を備えているんですけどね。
どちらも、十分な機能を備えていることは間違いありません。ただ、ニコンD500がずば抜けたスペックのため7D2が劣ってるように思うかもしれません。
7D2でも広範囲、高密度にフォーカスポイントが配置されているので、普段使いで不足に感じることはないはずです。
重さ
- ニコンD500⇒860g/キヤノン7D2⇒910g
重さ自体は大差ないのですが、ニコンD500はこれだけハイスペックにも関わらずキヤノン7D2より軽いのはかなり優秀じゃないでしょうか。
一眼レフは、軽すぎても安定しないので、ある程度の重さは必要です。
しかし、このクラスのカメラになると、まだまだ基本的には重いので、軽いに越したことは無いですね。
レンズも高性能なものをチョイスするようになるでしょうし、そうなると必然的に重くなりますからね。
動画撮影機能
- ニコンD500⇒フルHD動画60p及び4K動画30p/キヤノン7D2⇒フルHD動画60p
- 背面液晶:ニコンD500⇒可動式+タッチパネル/キヤノン7D2⇒固定式(タッチパネルではない)
ニコンD500は動画機能にも優れています。APS-C一眼レフカメラのフラッグシップ機なのに背面液晶を可動式にしている点もありがたいです。
特に子供の撮影では、動画も時折撮りたいので案外重宝します。
それにニコンD500はフルHDの60pだけでなく、なんと4K動画にも対応しています。かなりの高画質動画の撮影が可能です。
まとめ ― ほぼ全てのスペックでニコンD500!しかし値段を考えると…
ニコンD500はニコンのAPS-Cフラッグシップ機としては6年半ぶりの後継機ということもあってか、びっくりする程のハイスペックな内容となっています。
キヤノン7D2でも子供写真の撮影には少々オーバースペックと思っていますが、ニコンD500はさらに上を行きますね。
ただしニコンD500は背面液晶を可動式にしてタッチパネルですし、4K動画30pにも対応しているなど、動画機能にも力を入れているところが良いですね。
ただ、やはりその分価格はニコンD500の方が高いですね。先程アマゾンでボディ単体の価格を確認してみましたが、
- ニコンD500:233,720円
- キヤノン7D2:144,638円
とかなりの開きがあります。ニコンD500の値段だと、フルサイズ機も十分検討対象になる事を考えると一概にニコンD500が良いとも言えなくなりますね。
むしろ7D2のコストパフォーマンスは現状かなり良いんじゃないでしょうか。
価格に目をつぶるならニコンD500、コストパフォマンス重視なら7D2だと思います。
ニコンD500とキヤノン7D2の比較まとめ一覧表
比較項目 | ニコン D500 | キャノン 7D2 |
---|---|---|
発売日 | 2016年4月28日 | 2014年10月30日 |
画素数 | 約2,088万画素 | 約2,020万画素 |
常用ISO感度 | 100~51,200 | 100~16,000 |
1秒間の 連写枚数 | 10枚 | 10枚 |
連続撮影枚数 (RAW) | 200枚 | 24枚 |
フリッカー 対策 | フリッカー低減 | フリッカーレス |
測距点 | 153点 99点クロス | 65点 オールクロス |
輝度範囲 | -4EV~20EV | -3EV~18EV |
重さ | 860g | 910g |
動画撮影 | フルHD60p 4K30p | フルHD60p |
背面液晶 | 可動 タッチパネル | 固定 タッチ操作不可 |