一眼レフで写真を撮っていると、変に明るすぎたり暗すぎて映る場合がたまにありますよね。そんな時の解決法を説明します。
ここでは、当サイトでも推奨している絞り優先モードで撮影する前提で説明を進めていきます。
目次
露出の調整
カメラは取り込む光を計算して、常に設定された明るさになるようにパラメーターを調整します。
この時の「設定された明るさ」というのが露出の事です。
写真が明るいとか暗いと感じる場合、被写体の中に極端に明るすぎる部分や暗すぎる部分がある事が原因です。
例えば被写体の一部に非常に強い光りなどがある場合は、平均化すると明るい部分の分を暗くしないといけないと判断し写真全体が暗くなるわけです。
数値で例えてみると
例えば、画面が10分割されていると考えて下さい。
そのうちの1つのポイントのみが50の明るさで、残り9つのポイントは10の明るさとします。
画面全体の明るさの合計は、50×1+10×9=140になります。
平均値を算出すると、140/10=14です。
なので、カメラは画面全体を14の明るさと捉える訳です。
そうなると、10の明るさの部分は14よりも暗いと判断され、見た目よりも暗く映る訳です。
50の部分は14よりかなり明るいので、色が飽和して白飛びしたりします。
画面全体の明るさが同じだった場合を考えてみます。
10点全てが10の明るさだったら、当然平均値もが10になりますので、違和感は感じないんです。
実際にこの数値は架空のもので存在しない値ですが、ニュアンス的にはこんな感じです。
露出補正のメカニズム
マイナス補正すれば暗くなるし、プラス補正すれば明るくなります。
露出補正した場合にカメラがどういう事をしているかを説明します。
まず、ISO感度は一定の条件で、絞り優先モードの場合だと、設定した絞り(f値)に対して設定した露出になるようにシャッタースピードを調整(最適化)します。
例えば、絞りをf4に設定した時に、補正なしの露出にカメラが調整した場合、シャッタースピードが1/60だったとします。
この状況で1段プラス補正した場合を考えると、カメラはより多くの光を取り込む必要があります。
絞り優先モードですから、絞りは一定のf4のままです。調整されるのはシャッタースピードですね。
光をより多く取り込むためにはシャッターを長い時間開ける必要があります。
1段分なので倍になりますから、1/60×2=1/30になります。
逆にマイナス補正した場合はシャッタースピードは半分ですので、1/60÷2=1/120になります。
露出補正はこのようにしてカメラが明るさを調整してくれる訳です。
シャッタースピードの調整範囲を超えている
露出を調整していないのに、明るすぎる場合もまれにですがあります。
この場合は絞り込むことで調整できます。
ナゼそういう事が起こるかというと、例えばものすごく天気が良い日で絞り解放にしていた場合、当然たくさんの光がカメラに入ってきますよね。
カメラは入ってくる光を調整するためにシャッタースピードを短くして、入ってくる光を少なくしようとします。
でもシャッタースピードを短くするにも限界があるんです。だいたい1/8000とか1/4000などでカメラによって若干異なります。
つまり、それ以上シャッタースピードで光を制御するのは無理という事ですね。
ですので絞ることによって入ってくる光を少なくしてあげる必要があるわけです。
ISO感度でも明るさの調整はできる
ここまではISO感度は一定の条件で話を進めてきましたが、ISO感度の調整によっても写真の明るさを調整できます。
ISO感度は入ってきた光に対してイメージセンサーがどの程度反応するかを調整するパラメーターです。
入ってくる光が一定と仮定します。
ISO感度を小さくすれば写真は暗くなるし、大きくすれば明るくなります。
なので先程シャッタースピードの調整範囲を超えている場合に、ISO感度が大きい値だったなら、小さくする事で暗くする事が可能です。
絞りとシャッタースピードで光の制御、ISO感度でイメージセンサーを制御
絞り、シャッタースピード、ISO感度、という3つのパラメーターを同時に考えると、初心者の方は必ずと言って良いほど混乱します。
ですので、次のように順番に考える事で理解しやすくなります。
- 絞りとシャッタースピードでイメージセンサーに当てる光の量を調整
- ISO感度でイメージセンサーの光に対する反応を調整
実際に明るい日中なんかで、絞りやISO感度を変化させてみて、シャッタースピードがどう変わるかを確認してみましょう。
さらに実際に撮ってみて写真を確認する事で、より実感として掴みやすいと思います。