中級機の一眼レフカメラを検討されている方にとって、キヤノンの80DとニコンのD7200、どちらを購入するか迷う方も多いでしょう。
特に初めて一眼レフを購入される場合はメーカー選定でもありますので、重要な判断を迫られる事になりますね。
目次
子供写真用のカメラとして初めて買う一眼レフとして中級機は最適
子供写真の撮影に使うカメラですが、個人的には中級機の購入をオススメします。初めて一眼レフを購入するという人でも、入門機より使いやすいです。これから長い付き合いになりますので、入門機だと物足りなくなりますよ。
入門機を使いこなしてくると、どうしてもこのクラスのカメラが欲しくなるのは間違いありません。長期的に使用することを想定して、まずは中級機を購入し、その次にフルサイズへとステップアップするのが良い選択だと思います。
そうなれば、フルサイズとこのクラスのAPS-C機との2台体制も可能で、焦点距離が異なる2台のカメラであれば使い分けるメリットも大きいです。不意の故障など何かの時のバックアップにもなります。
キヤノン80DとニコンD7200のスペック比較
主要なスペックを中心に、子供写真の撮影も考慮しながら詳細に比較してみましょう。
撮像素子(イメージセンサー)は静止画だけならニコンD7200が有利だが
- 画素数:キヤノン80D⇒2420万画素/ニコンD7200⇒2416万画素
- 常用ISO感度上限:キヤノン80D⇒ISO16,000/ニコンD7200⇒ISO25,600
- キヤノン80DはデュアルピクセルCMOS AFを搭載
解像度に関しては、どちらも2420万画素付近で同じと考えて良いでしょう。しかし、常用ISO感度がニコンの方が上ですね。16,000と25,600では、数値だけ見ればかなり開きがあるように感じますが、その差は1段分にも満たない程度ですので、差は少ないです。
しかし、キヤノン80DのイメージセンサーはデュアルピクセルCMOS AFを搭載しており、ライブビュー撮影や動画撮影をかなり快適にしてくれます。
さらにキヤノン80Dは背面液晶が可動出来ますので、ライブビュー機能がかなり実用的で多用したい機能になりました。
イメージセンサーについては、個人的にキヤノン80Dが良いと思います。
画像処理エンジンはキヤノン80Dの勝利
- 1秒間の連写枚数:キヤノン80D⇒7枚/ニコンD7200⇒6枚
- 連続撮影枚数(RAW):キヤノン80D⇒20枚/ニコンD7200⇒18枚
画像処理エンジンに関しては、キヤノン80Dの方がスペック的に上回っています。ニコンD7200もかなり健闘はしていますね。しかしこれは子供写真の撮影にて実用レベルでは殆んど差はないと考えて良いでしょう。
フリッカー対策はキヤノン80Dの圧勝
- フリッカー対策:キヤノン80D⇒フリッカーレス/ニコンD7200⇒フリッカー低減
キヤノン80Dは、測光センサーに7560画素RGB+IR測光センサーを採用した事で、フリッカーレス撮影が可能になりました。フリッカー現象というのは、人工灯のチラつきにより、写真の色や露出が不自然になる現象です。
フリッカー現象については、体育館などで撮影する機会が多い方には非常にありがたい機能で、ボツになる写真を大幅に減らすことが出来ます。
せっかく撮影しても色がものすごく変な場合は削除するしかありませんよね。補正である程度は救えますが、編集に膨大な時間がかかってしまいます。
ニコンD7200もフリッカー低減は可能ですが、キヤノン80Dのように完全に無くすには至っていません。実用的な機能であり、この差は大きいですね。
オートフォーカスはキヤノン80Dに軍配が?
- 全測距点:キヤノン80D⇒45点/ニコンD7200⇒51点
- クロスタイプ測距点:キヤノン80D⇒全45点/ニコンD7200⇒15点
- 輝度範囲:キヤノン80D⇒-3EV~18EV/ニコンD7200⇒-3EV~19EV
キヤノン80Dは、全測距点45点が全てクロスタイプというのはかなり優秀ですね。オートフォーカスは子供写真の撮影でもかなり重要ですので、ここは大きなポイントと言えるでしょう。
ニコンD7200も測距点の数自体は多く、その分構図の自由度は若干高いですが、その差は小さく、やはり精度に影響するクロスタイプの数の差は大きいです。
ニコンも15点がクロスタイプであり、少ないことは無いのですが、中央付近に集中しているのも勿体ないと思います。
構図的に考えれば、隅の測距点も結構使用頻度高いです。中央ばかりにピントを合わせれば、必然的に日の丸構図に近くなりますので。
重さは大差なしだが…
- キヤノン80D⇒730g/ニコンD7200⇒765g
重さはそんなに差はありませんが、キヤノン80Dが可動タイプの背面液晶を採用しているにも関わらず若干なりとも軽い点を考えると、キヤノン80Dが有利ですね。僅かな差ではありますが。
ファインダー視野率は同じでどちらもベスト
- キヤノン80D⇒100%/ニコンD7200⇒100%
ファインダー視野率はどちらも100%を達成しており、素晴らしいですね。
ファインダー視野率は個人的にそんなに重要視していませんが、残念な写り込みなどを避けることができますし、後々編集時の自由度も考えると100%に越したことはありません。
画面全域にわたって確認しながら撮れるのは、やはり良いものです。
その他の目ぼしい機能について
- クロップ撮影:ニコンD7200だけに搭載
- 背面液晶:キヤノン80D⇒可動/ニコンD7200⇒固定
- 記録メディア:キヤノン80D⇒シングル/ニコンD7200⇒ダブル
ニコンD7200にはクロップ機能が付いており、焦点距離を1.3倍にする事が出来ます。画素数は少なくなりますが、場合によっては便利な機能ですね。
キヤノン80Dのみの機能として、背面液晶が可動出来る点があります。これによって頭上にカメラを持ち上げて撮影したり、地面スレスレから撮影したりといった時に重宝します。
そういう写真って普通はあんまり撮らないと思いますが、面白い写真が撮れますのでオススメです。
単調な写真が多くて変化を付けたい時なんかにも良いですよ。
また、キヤノン80Dのみ背面液晶はタッチパネルとなっており、動画撮影時にタッチでピントが合わせられます。可動式と合わせて非常に便利な機能ですね。
また、記録メディアについてですが、80Dが、1枚のSDカードのみ使用できるシングルスロットに対して、D7200はSDカードを2枚同時にセットできるダブルスロットの仕様です。
ダブルスロットは、連続して2枚のメディアに記録し続けられるので、メディア交換のタイミングでシャッターチャンスを逃しにくいですし、万が一メディアの入れ忘れなどの失敗も起きにくいです。
非常に便利な機能ですので、機種選びのポイントにもなりますね。この情報はダブルスロットの情報はFanfare様からのコメントを元に追記しました。(Fanfare様 ありがとうございます)
- デュアルピクセルCMOS AFでビデオカメラ不要な程動画機能が優秀
- 連写枚数、連続撮影枚数が多い
- フリッカーレス撮影ができる
- オートフォーカス測距点全てがクロスセンサー
- 背面液晶が可動できる
- 常用ISO感度の上限が高い
- クロップ撮影ができる
- 記録メディアがダブルスロット
総合的にキヤノン80Dに軍配
同じクラスのカメラでキヤノンとニコンの比較をしましたが、発売日が新しいキヤノン80Dがそもそも有利ですので、公平な比較にはなっていないです。
ニコンD7200は発売されてから1年以上経過しており、この業界で1年というのは製品サイクルを考えると長いです。
その前提で考えて欲しいのですが、やはり新しい発売日のキヤノン80Dが総合的に良いと思います。私が一眼レフカメラを1台も持っていなくてどちらか選べと言われたらキヤノン80Dを選びます。
キヤノン80Dは特に動画機能が優秀で、十分ビデオカメラの役割も果たせます。
子供写真の撮影時には、動画撮りたくなる機会も結構ありますので、即座に動画撮影に切り替えて快適に撮れるのは非常に便利です。
それだけでは無く、フリッカーレス撮影やオートフォーカスの測距点全てがクロスセンサーというのも大きなポイントですね。
一方のニコンD7200も発売から1年以上経過しているにも関わらず健闘していますね。常用ISO感度が高いのは子供撮影にはありがたいです。
それに、価格の面ではニコンD7200が安いですね。先程アマゾンで比較してみましたが、ボディ単体で、
- キヤノン80D:113,673円
- ニコンD7200:89,226円
と25,000円近くも差がありました。
個人的にはキヤノン80Dかなと思いますが、価格面も考慮すると一概にはいえませんね。
まとめ - 初めての購入の場合はメーカー選定も含めて検討を
子供写真の撮影用なら、今回比較した中級クラスのカメラがオススメです。最終的にはフルサイズのカメラが最もオススメしたいのですが、価格的にも高価ですし、初めて一眼レフを購入するとしたら、中級クラスが良いでしょう。
また、カメラのメーカー選びも悩みますよね。基本メーカー間でレンズの互換性がありませんので一度購入してしまうと、ずっとそのメーカーを使い続ける場合がほとんどです。
個人的にはレンズのラインナップも多く、シェアをほぼ確保しているキヤノンかニコンなら間違いないと思います。
キヤノンかニコンかについては、どちらでも良いと思いますが、個人的には自分でも愛用しているキヤノンですね。これに関しては、購入するタイミングで欲しい機種で選んだりでも良いと思います。
この2メーカーでは発売日近いなら、ほとんど性能的にも変わらないと思いますよ。
キヤノン80DとニコンD7200の比較まとめ一覧
比較項目 | キャノン 80D | ニコン D7200 |
---|---|---|
画素数 | 約2,420万画素 | 約2,4216万画素 |
常用ISO感度 | 100~16,000 | 100~25,600 |
1秒間の 連写枚数 | 7枚 | 6枚 |
連続撮影枚数 (RAW) | 20枚 | 18枚 |
フリッカー 対策 | フリッカーレス | フリッカー低減 |
測距点 | 45点 オールクロス | 51点 15点のみクロス |
輝度範囲 | -3EV~18EV | -3EV~19EV |
重さ | 730g | 765g |
ファインダー 視野率 | 上下左右100% | 上下左右100% |
クロップ撮影 | 不可 | 可能 |
背面液晶 | 可動 タッチパネル | 固定 タッチ操作不可 |
最後までNikon D7200とCANON 80Dで迷いましたが、ファインダーを覗く派なのでバリアングルの必要が無く、各ボタンの操作性が好きだったこと、そして何よりSDカードがダブルで使えるという点を評価してNikon D7200を買いました。
Fanfare様
サイトへのご訪問と、コメントも頂きましてありがとうございます!
最近のニコンは魅力的な機種が多いので、良い選択をされたと思いますよ。
キヤノンユーザーの私から見ても、最近はニコンの方がスペック的にも良いような気がします。
特にD7200もそうなんですが、常用ISO感度がキヤノンより高い機種が多いですね。
それと仰るように記録メディアがダブルかどうかというのは大きいですね。
この記事にはその点記載していませんでしたね。
大事なポイントですので追記する事にします。ありがとうございました。
今回キヤノンとニコンを比較検討されたという事は初めての一眼レフですか?
一眼レフ初心者の方にもお役に立てるような記事を書いていきたいと思いますので、
宜しければまた当サイトへ訪問頂けるとうれしいです!
トモ
アナログ時代は6×7を使っていました。しばらく間が空いてデジカメにしてから、ポケットに入るコンデジ→レンズ交換できるミラーレスと続いて今回のNokon D7200に辿り着きました。「失敗=現像代のロス」だった時代に比べると、今は楽しく撮影できます。楽しいからこそ、ボタン配置やシャッター音に至るまで、自分の手や好みに合ったカメラを選ぶのが良いのではないかと思います。少しでもわだかまりがあると、カメラへの愛着が薄れるような気がします。
Fanfare様
再度の訪問とコメント、ありがとうございます!
6×7というと中判カメラというものですね。私はアナログ時代は35mmの一眼レフを使ってました。それ以上のフィルムサイズは使ったことないですね。私にとっては敷居が高かったです。
私は、35mmフィルム一眼レフ⇒コンデジ2機種⇒デジタル一眼レフ、と渡り歩いてきました。仰るようにデジタルになってからは現像代のロスも含めて、失敗によるロスを大幅に減らすことが出来るようになりました。
フィルム時代は露出設定ミスで1日撮影した分が全て失敗になったりと、苦い経験を何度かしたことがあります。
デジタルはISO感度の設定や膨大な枚数を連続して撮れたりと、技術の進歩は素晴らしいです。今だに思うのですが、撮ったその場で確認できるメリットは計り知れないですね。
仰るように、自分の好みに合ったカメラを選ぶのは重要と思います。
ボタン配置は操作性に直結しますので、実際の撮影を想定して確認した方が良いですよね。
私は特にAFポイントの移動しやすさや、自分が頻繁に変化させるパラメーターへのアクセスのしやすさ等重視しています。最近の機種は各ボタンに好みの機能を割り当てられるような、カスタマイズ性高いものも多くて便利ですね。
あと、Fanfareさんが以前コメント頂きましたようにダブルスロットかどうかなども重要ですね。
シャッター音についてはあまりこだわっていない人も多いようですが、軽視できないポイントだと思います。
心地いいシャッター音だと、テンポよく撮影できる気がします。これについてはレンズによっても結構変わりますよね。好きなシャッター音のレンズを付けると集中力が高まって撮影に集中できます。
一眼レフカメラってかなりお求めやすくなりましたが、まだまだ高価ですしある程度長い期間使いますので、購入前は納得行くまで検討したほうが良いですね。そうやって検討しているときって楽しいですしね。
これからもどんどん良い機材が発売されて便利になっていくんでしょうね。
そんな機材を使って楽しく撮影する事考えるとワクワクします。
写真は長く続けられる趣味ですので、今後も楽しみです。
またいろんなカメラやレンズなんかもレビューしていきますので、たまにでもサイトに訪問して頂けるとうれしいです。
トモ
トモさん
初めまして。
子供の写真撮影を手軽に綺麗にと考えるならば、プリンターまで一貫しているキャノンじゃないでしょうか。
特に子供の綺麗な肌、色味を無加工で表現するならばです。
ただ、ニコンの堅牢性と忠実性を考えて、どうせRAWを加工する前提だったのでD7200を買いましたが。
em2601様
初めまして、ご訪問とコメント、ありがとうございます!
仰るようにキヤノンはプリンターについてもトップレベルですよね。
子供の写真は特にプリントして目に付くところに飾りたいですしね。
そういう意味でもキヤノンを選択するメリットはありますね。
堅牢性に関してはやはりニコンの方が上でしょうか。
カメラは精密機械ですが、場合によっては色んなシーンでハードな使い方もしたいので、
堅牢性って結構重要ですよね。壊れてしまっては撮影どころじゃないですもんね。
それと、忠実性についてもニコンは評価高いですね。
RAWで加工の前提であれば重要な要素ですよね。
そのうち、プリンターやRAW現像などについても記事にしていきたいと思います。
気が向いたらまた訪問してもらえるとありがたいです。
トモ
初めまして カメラ選びに迷って、こちらにたどり着きまさた
センサーの違いはどのように思われますか?
自分的にはd7200はローパスフィルターで東芝かSONY製と聞いたことが有りますキャノンは一世代前のローパスフィルター付きセンサー、性能差が有ると想ってますが、宜しくお願いします。
ゴンザレス様
はじめまして。ご訪問とコメントありがとうございます。
返信が遅くなってしまい申し訳ありませんm(__)m
センサーの違いに関してですが、ローパスフィルターの有り無しについて、結論から言うと気にする程では無いと考えています。
モアレや偽色を軽減するのがローパスフィルターの役割な訳ですが、
レンズの性能や被写体の状況等も影響しますので、比較は困難だと思います。
明確にどちらが良いというのは言い難く、つまりは有り無しの差は小さい証拠だとも言えるんじゃないでしょうか。
現時点で重要視するポイントではないというのが私の判断です。
どちらが良い、というのが明確に回答できなくて申し訳ありませんが、もっと重視した方が良いパラメーターはたくさんあると思います。
撮りたい対象にもよりますので、当サイトをカメラ選びの参考にして頂けたら幸いです。
今後共宜しくお願い致します。
トモ
一眼レフの購入を考えています。素人にもわかるような比較をされていてとても参考になります。
使用する用途にもよりますが、どちらも優れていることはわかりますが撮る上でオールマイティに使えるものがいいと思っています。どちらも同じ条件で風景画を撮るとしてそこまでの差が出るようには思えません。そこで風景ではなく動きのある被写体を撮ることを考えると80Dの方が優れていることからそちらの購入を考えているのですが…どちらもいいカメラなのでとても迷っています。
優様
初めまして。ご訪問とコメントありがとうございます。
>素人にもわかるような比較をされていてとても参考になります。
まさにこの点は気を付けて記事を作成していますので、とても嬉しいです。
ご質問に関してですが、優さんが仰るように、風景撮影であればカメラの性能差は殆ど関係ないと思います。
動きのある被写体なら80Dというのも同感です。
オールマイティな機種をお探しとの事。
であれば個人的には間違いなく80Dだと思います。価格も現在は殆ど変わりませんね。
80Dは動画機能も優秀ですし、背面液晶が可動式なのもポイントです。
センサー感度がD7200の方が上ですが、その差はわずかしかありません。
私が現時点でオールマイティな機種を探しているとして、今回記事の2機種を比べると迷わず80Dを選択します。
しかし、他の選択肢も含めるなら、現時点では80Dとより9000Dを選びます。
さらに迷わせることになるかも知れませんが、折角のカメラ選びなので楽しんで欲しいと思います。
以下の記事に80Dと9000Dでの比較もしていますので、参考にしてみて下さい。
http://パパカメラ.com/9000dor80d/
優さんにとってベストな選択が出来ることを祈っています。
トモ