キヤノン一眼レフカメラのエントリーモデルのなかで、最上位機種にあたる8000D。このクラスのカメラはキヤノンとしては新たに設定したラインのモデルです。その実力はいかに!?
目次
8000Dはキヤノンエントリー最上位機種
この機種が発売される前まではkissXiシリーズがエントリークラスとしては最も上位の機種でした。
今回の8000Dはさらにその上のクラスということで、より中級機種に近い性能を備えています。上位機種の80Dと同等のスペックも多数あります。
8000Dの機能をチェック!
8000Dの主要な機能をチェックしてみましょう。エントリー機といっても十分な性能を備えており、子供写真の撮影にも威力を発揮してくれます。
撮像素子(イメージセンサー)
イメージセンサーサイズ
デジタル一眼レフカメラとしては最も一般的なAPS-CサイズのCMOSセンサーです。コンデジやミラーレスカメラの平均的なイメージセンサーと比べると大きく、その分画質もいいですね。
焦点距離はフルサイズの約1.6倍になります。この焦点距離の倍率については、将来的にフルサイズへの移行も考えている方はある程度認識しておいたほうが良いです。
同じレンズでも焦点距離が変わるわけですから。
画素数
約2,420万画素です。解像度的には十分ですし、ノイズを抑えつつある程度高感度撮影も可能ですので問題無いでしょう。個人的にはノイズやデータ量を考えると、2,000万画素付近で良いかなと思うのですが。
センサー感度
常用ISO感度は100~12,800です。かなり暗いシーンでも手持ち撮影が可能になりますね。ただ、画素数をもう少し抑えればもっと高感度でもいけたんじゃないかと個人的には考えるわけです。
その方が子供写真の撮影でもブレを抑えることができて良いのですが。その辺りはバランスがあるんだろうとは思いますが。
ライブビュー
8000Dは背面液晶が可動でき、さらにタッチパネルですのでライブビューでの撮影もしやすいです。タッチした場所にピントを合わせる事もできますので非常に便利ですね。
また、ハイブリッド CMOS AFⅢを搭載しており、ライブビューでもある程度高速、高精度なオートフォーカスが可能です。
可動式液晶は子供を撮る場合にも、地面スレスレから子供目線で撮影したり、両手でカメラを持ち上げて上から見下ろすような写真なんかが撮れますよ。撮影のバリエーションが増えますね。
連写速度
1秒間に5コマの撮影が可能です。連写速度は上位機種なんかは特に7コマとか10コマ可能なので、5コマというとちょっと遅いと思われるかもしれません。
しかし実際に使ってみると、5コマ程度でも十分ですし、連写し過ぎるのも後々編集作業が大変ですので、普段ならちょうど良いと思います。不足に感じる場面はそんなに無いと思います。
画像処理エンジン
最新の映像エンジンであるDIGIC6を搭載しています。8000Dより上位機種にあたる80Dに採用されているのと同じものですね。高感度撮影時の低ノイズなどに影響を与えています。
連続撮影枚数は約7枚です。この点は少し物足りないですね。普通はそんなに連写を連続する事は少ないというものの、たまには必要になりますので、そんな時にはシャッターチャンスを逃しかねません。特に連写を多様する方にとっては不足に感じるでしょう。
オートフォーカス
オールクロスの19点オートフォーカスセンサーを採用しており、高速かつ高精度なオートフォーカスが可能です。このクラスのカメラとしては贅沢な仕様ですね。必要なエリアの大部分はカバーできますので、思い通りの位置にピントを合わせられます。
19点全てがクロスセンサーというのも良いですね。
輝度範囲
-0.5EV~18EVで、この点は普通ですね。マイナス側が-0.5EVまでしか対応していないのは、撮影シーンによっては不足に感じるでしょう。
この値は暗い場所でオートフォーカス可能かどうかに影響します。-0.5EVだと、薄暗い室内ではオートフォーカスが上手く作動しない場合もあると思います。
動体撮影機能
AIサーボAFⅡを搭載しており、動く被写体に対して高精度にピントを合わせ続けてくれます。被写体の動きや障害物の有る無しによって細かく設定ができますので、様々なシーンに最適化する事が可能です。
測光センサー
8000Dは測光センサーに7560画素RGB+IRセンサーを採用しています。これは80Dにも採用されているものです。これによってフリッカーレス撮影が可能になっています。
フリッカー現象というのは人工灯のチラつきの事で、人工灯は肉眼では分からないくらいの速さでちらついているんですね。写真は数百、数千分の1という非常に短い時間の光を取り込みますので、ほんの僅かなチラツキさえも大きく影響する訳です。
結果的に写真の明るさや色に影響し、不自然な写真になってしまいます。これを防ぐのがフリッカーレス撮影で、写真の歩留まりにも影響する便利な機能なんですね。
8000Dの重さ
8000Dの重さは565gと、エントリーモデルらしく非常に軽量ですね。持ち運びなんかにも上位機種に比べて非常にラクです。将来的にサブ機としても軽いというのはありがたいですね。
ただ、あまりに軽いとカメラが安定せずにブレやすくなりますので、カメラを構える際には十分注意しましょう。ある程度重いレンズを装着した際には良いでしょうね。撮影時の疲れに影響しますので、軽いのはやっぱりありがたいですね。
ファインダー視野率
上下左右95%です。ファインダー画像に見えない5%程度の範囲に余計なものが映り込む可能性があります。とは言ってもそんなに気にする必要は無いと思います。
だいたい気付きますし、もし余計なものが写り込んだとしても、編集で簡単にトリミングも出来ます。
動画撮影機能
8000Dは、可動式の背面液晶、タッチパネルによって、ビデオカメラと同等かそれ以上の操作性を実現しており、動画も非常に撮りやすいです。また、ハイブリッド CMOS AFⅢによって、動画撮影時でも高速なオートフォーカスを可能にしています。
EOS初のHDR動画にも対応しており、画面内の明暗差が大きい場合でも、黒つぶれや白飛びを防いでより魅力的な動画撮影が可能になります。
約3倍から10倍のデジタルズームもできますので、遠くの被写体を拡大して撮影することも可能です。ただし、望遠にするほどブレやすくなりますので注意が必要ですね。あまりに望遠になる場合は三脚などを使用してブレを抑えるようにしましょう。
また、動画サーボAFによって、動画撮影中でも被写体の動きに合わせてピントを合わせ続けてくれますので、被写界深度を浅くした撮影も十分可能です。
まとめ ― 8000Dは子供撮りにも超有力な候補に!コスパは最高に良い!
8000Dは上位機種の80Dに迫る部分も多数あり、子供写真の撮影用にも有力な候補となるでしょう。機能的にはもちろん上位機種であり、子供撮りにはもってこいの80Dが良いのですが、価格差を考えると8000Dを選択するのもアリですね。
エントリー機であるKissシリーズは、コンパクトで軽いのがウリですね。確かにKiss X7なんか高性能なコンパクトデジカメと間違うほど小さいです。しかしKissシリーズでは操作性等が特に物足りなく、初めて一眼レフを購入するなら中級機種がオススメなんです。
しかし8000Dは操作性がかなり中級機に近いですので、選択肢としては十分候補になるでしょう。
それにKissはネーミングからしていかにもママ用という感じなので、パパとしてはちょっと敬遠してしまいますよね。そういう意味でもこのクラスのラインナップは初心者パパ向きなのかもしれません。