写真の知識

適正露出は撮影者次第?明暗差が大きい時はメリハリが重要

写真の事をアレコレ調べていると、適正露出という言葉が良く出てきますが、一体適正露出って具体的にどういう数値なの?と思いませんか。

適正露出に明確な基準は無いが…

実は適正露出って個人によって異なり、あなたが適正露出と思えばそれが適正露出です。しかしあえて一定の基準を設けると考えるなら、

適正露出とは?

  • どの部分を適正な露出にするか
  • どの程度の露出にするか

である程度判断する事になります。

特に露出でどうするか迷うシーンというのは、撮る画面に明るい部分と暗い部分が存在し、明るさの差が大きい場合です。

そのような時にはどちらの明るさを適正露出にするか判断が難しいですよね。そういう場合を例に、具体的な対処法交えて説明しましょう。

管理人トモ
管理人トモ
狙って設定しないと、どっちつかずの写真になりがちです。何をメインに撮りたいかをはっきりさせるのがポイントです。

明暗差が大きい場合は狙いを明確に

例えば暗い室内で窓から明るい風景が見えていたとします。それで窓際にいる被写体を撮影するような状況と仮定します。

結構良くあるシーンで、普通に撮っていれば、大抵は室内の被写体は真っ暗で表情なんて見えない、窓外の風景も白飛び気味で風景が確認出来ない、といったどっち付かずの写真になる場合が多いです。

カメラは設定にもよりますが、ある程度画面全体の明るさの平均値から露出を決めますので、どうしても明暗差が激しい場合はどちらの露出も中途半端になってしまうんですね。

しかしこれは一眼レフの設定でコントロールが可能です。

暗い部分を適正露出にする場合

明暗差が激しい場合に、まずはどの部分を適正露出にするかですが、仮にあなたが室内の被写体を適正露出にしたいなら、プラス補正する必要があります。

プラス補正するという事は、画面全体を明るくするわけですね。

そうすると必然的に窓の外の風景は白飛びして真っ白なだけの風景になります。本当は山とか海とかが写っていたとしても白飛びして見えなくなる場合がほとんどです。

全体の露出を上げると明るい窓外は白飛びする

それと引き換えに、被写体は明るくコントロールできる訳です。

次に、被写体をどの程度の明るさにするかですが、プラス補正を色々変えてみて、あなたが適正と思う露出に設定すれば良いんです。

これらは場合によってもどの程度にしたいかというのは変わるはずです。ですので、適正露出というのは明確なものはなく、都度あなたが判断して決めることになります。

この補正の量ですが、色んなシーンを撮影して経験を積み重ねれば、その時の明るさによってだんだんと分かってきます。レスポンス良く撮りたいところですが、こんな場合は撮った写真を画面で確認しながら撮った方が失敗が少ないです。

画質も、特にこのような場合はRAWで撮るようにすると良いでしょう。あとからの補正の自由度を確保するためには、常にRAWで撮影することをオススメします。

管理人トモ
管理人トモ
一眼レフで撮った写真は大きく分けてJPEGかRAWで保存する事になります。撮った後に補正する際、JPEGだと結構不自然でいかにも補正した感じになってしまいます。より自然な感じにする為にRAWに設定しましょう。

明るい部分を適正露出にする場合

次に逆の事を考えてみましょう。つまり、窓の外の風景を適正露出にしたい場合です。この時は、明るい外の風景を暗くしないといけないので、マイナス補正ですね。

マイナス補正すると、画面全体を暗くするわけですから、室内の被写体は黒つぶれ状態となり、シルエットのような感じで表情なんかは見れません。しかし、外の風景は白飛びする事なく、適度な明るさ(=適正露出)にすることが出来るんですね。

全体の露出を下げると暗い部分は黒つぶれになる

そこで考えるのが、外の風景を暗くしつつ、部屋を明るく写せないの?と考えますよね。それが両立できれば、場合によっては被写体の明るさを残しつつ窓の外の風景も同時に写すことが出来ます。

実はその方法もあります。

暗い部分も明るい部分も適正露出にしたい場合

そもそもこういう状況というのは、同時に撮りたい被写体の明るさに差があるのが原因です。それなら、その原因を取り除けば良いんです。

簡単な事ですが、ストロボを使って暗い部分の被写体を明るくする訳ですね。ストロボって不自然な写真になりやすいので、なるべくなら避けるべきと個人的には思います。

しかし、絶対に使わない訳ではなく、場合によっては使った方が良いシーンももちろんあると思っています。使い方は非常にテクニックが必要で、簡単ではありませんが。

ストロボを使えば露出を簡単にコントロール可能

今回説明するのも、そんなストロボが有効な場面です。本来は両立できない明るさの被写体を適度な明るさで同じ構図内に納める事が出来るわけですので素晴らしいと思います。

とは言っても出来るだけ自然な写真にはしたいので、ストロボの使い方を工夫する必要があります。

ストロボの光ですが、直接被写体に当てないようにして、周囲の壁や天井に当てます。被写体には間接的に当てるわけです。バウンス撮影と言いますが、そうすることで、被写体に不自然な明るさと影が出来にくいんです。

管理人トモ
管理人トモ
バウンス撮影は高度なテクニックで初心者には難しいかも知れません。

バウンス撮影は、照射する角度をかなり自在に可動できるストロボが必要です。そういうストロボがない場合も多いでしょうし、ほとんどはカメラ内臓のストロボを使うことになると思います。

内蔵ストロボでも不自然にならない撮り方はできる

その場合の注意点は2点あります。

  • 被写体と背景との距離を開ける
  • カメラから被写体までの距離を開ける

被写体と背景との距離を開ける

ストロボが不自然な要因の一つは影が出来る事です。被写体の背後に何もなければ影が出来にくくなり、不自然さが和らぎます。

カメラから被写体までの距離を開ける

ストロボの光は近ければ近いほど強いので、適度に離れる事でその光を淡くする事が出来ます。

要は明るさを均一に近づける

このように、出来るだけ自然に近い見た目になるように暗い室内を明るくし、窓外との明暗差を少なくする事で画面内の全ての被写体を均一な明るさに近づける訳です。

結果、室内の子供の表情も撮れて、且つ窓外の風景も白飛びせずにしっかり撮影出来るんですね。

状況による判断が重要

実際の撮影では、部屋の広さや被写体である子供の状況などによって色々制限があるはずですので、思い通りにいかない事の方が多いでしょう。ですので、その制限内で可能な限り理想に近づけるしかありません。

子供写真の撮影では、特に被写体である子供の状況が目まぐるしく変わりますので、その時の状況を瞬時に見極める必要があります。

それで、カメラの設定を最適化し、構図を決めて、場合によっては自分が移動して、良い瞬間を捉えてシャッターチャンスをものにしないとなかなか良い写真は撮れないんですよね。写真は簡単ではありませんね。でもその分、良い写真が撮れた時の充実感は格別です。

まとめ ― 自分が撮りたい露出を明確にし、メリハリをつければ写真のレベルは上がる

適正露出というのは、感覚で決まるものですから、あなたが設定したい露出に撮影できれば何の問題もありません。

ただ、露出は通常はカメラまかせで撮る場合が多いと思います。画面内に明暗差が少ない場合はそれでもほとんど問題ありませんが、明暗差が大きい場合は通常の露出設定で撮ると、どっちつかずの写真になります。

そういう場合は、今回紹介したように、どの部分をどの程度の露出にするかを明確にし、露出補正をしましょう。

明るい部分も暗い部分も適正露出にしたい場合は明るさを強制的に変える必要がありますので、ストロボを出来るだけ自然に見える使い方で取り入れてみましょう。

しかし、その場の雰囲気を変えすぎてしまったが為につまらない写真になっては元も子もありませんよね。ですので、どういうポイントを写真に反映させたいかを明確にして撮影すると良いでしょう。

狙いが明確で狙い通りの写真が撮れれば、写真の技術はどんどん向上し、撮るのが楽しくなりますよ。

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